number club

GEEK

星新一さんの「ナンバークラブ」という作品があります。

その世界には、ナンバークラブという会員制のバーがあり

「話題発見サービス」が提供されています。

会員は誰かと話したくなればそこへ行き、

会員証を差し込んで登録番号を押します。

すると、中央コンピューターが事前に登録してある経験をつき合わせ、

共通の話題を初対面の人たちに与えて、

コミュニケーションのきっかけを作ってくれるというものです。

希望すれば誰でも入れるサービスですが

「ぼくはプライバシーを大切にしたいんだ。

ずるずるといつのまにか自分を失い、気がついてみたら、

どうしようもなく悪いことになっている気がするんだ」

という人もいます。

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SNSを初めてやり始めた頃、

あーこれは、ナンバークラブの再現だな。

とうとうこの時がきたのだな。

という想いを抱きました。

星さんの作品には他にもたくさんの実現化された製品があるのですが、

壁掛けテレビなどと違って、

こういう「コミュニケーションシステム」は

当時13歳の自分には解りづらいものでした。

SNSというシステムが生まれて、その概念がわかったとき、

あ、あれは「コミュニティ」にあたるな、

これはパスワードだな、

知らない人と同じ話題で盛り上がるというのはこういうことか、

ということが理解でき、目からウロコがボロボロ落ちました。

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ただ最後まで読むとわかるのですが、星さんは

リアルではない人とのつながり、

未来のコミュニケーションのあり方について

漠然とした不安を抱えていらっしゃることがわかります。

21世紀もまるごと11年が過ぎることですし、

久しぶりに星新一のSFを読むと、いろいろおもしろいかもしれません。

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ちなみに1973年(昭和58年)の作品です。

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